くらがりの奥のくらやみ神の留守      山崎聰

  • 2008/05/19(月) 07:14:46



くらがりの奥のくらやみ神の留守      山崎聰
                         「響焔」二月号〈耿々〉より


 万物に神がいる、という考え方が日本人の精神の骨格を形作っているが、そんな八百万の神々が出雲に集まり、諸方の神社を留守にするのが「神の留守」である。

 この「神の留守」の間に何が起き、また、何をするのか、そんな精神のゆらぎがこの季語を人口に膾炙させたと言える。

 神の不在という「くらがり」にある「くらやみ」とは、生きることへの虚無感なのか、それとも人間にまとわりつく罪業の深さなのか。

 句作によって精神の有様を追求する山崎氏らしい作品である。